武器を手に

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 ギルド。それは基本的に魔物の討伐を目的とした組織だが、他にも役割がある。それが、依頼者と受注者の仲介だ。  何か困ったことがある者がギルドに申請を出すことを依頼と言い、ギルドはその情報を一般人に伝え、ギルドに加入登録している一般人はそれを見て依頼を請け負う。依頼を完遂すればギルドを通して依頼者から報酬が貰えるって寸法。いつからこうなったのかは今の知識でもわからないが、これが現在のギルドの活動だ。  ちなみに依頼とは別に任務というものも存在し、これは直接ギルドで働いているギルド員――つまりオレみたいなヤツが受ける。お偉いさんからの依頼だとか、一般人に任せられないような危険な依頼とかだな。  他にもギルドランクやギルドカードといったものもあるんだが、それは置いておくとして、 「来たぜ、“沈まぬ太陽”!」  オレ達は予定通り、“沈まぬ太陽”を訪れていた。  名前のシンボルである太陽が描かれた建物は、コンクリ造りの2階建て。外からじゃわからないが、実は地下もある。その分、中心街から少し離れた所に建てることになってしまった、とフィアは語っていた。 「ぐずぐずしてると時間が無くなるし、さっさと入ろうぜ」  そう言って入口に近付いていくシン。押して開くタイプのやや大きめの扉が真ん中に1つずつ。持ち手の部分は縦に伸びたパイプ型で、シンは左右の手でそれぞれの取っ手を掴むと、バカみたいに勢いよく押し開けた。 「扉の向こうに人がいたらいい迷惑よね」  ボソッと漏らしたセリスの呟きに頷くオレ達だった。  
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