武器を手に

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 思った通り、やがて2人の攻撃は目に見えて変化を起こす。  真っ直ぐ飛んでいた矢と銃弾が、突如それぞれ逆の方向へ軌道が逸れた。いや、少し言い方がおかしいか。曲がったんだ。矢と銃弾が。  左右に分かれたそれらの攻撃はそれぞれ側面からガーゴイルの片腕に突き刺さる。致命的な傷とまではいかないまでも、オレとリオンを迎え撃とうとしていたガーゴイル達の意識を崩すことはできた。  その隙を見逃さない。  すかさず懐に潜り込んだオレは、右手に握る黒龍を鈍く煌めかせる。左下から右上へ、つまり右脇腹から左肩へと黒刀を斬り上げた。  眼前を舞う赤黒い鮮血。  ――傷は、浅い。  意図的なものだ。みんな自分の武器の能力を試したいだろうからな。動きを鈍らせる程度に止(とど)めた。  苦痛の声を漏らすガーゴイルは数歩退くも、しっかり地面を踏み締めて堪え、短くも鋭い爪を突き立てる。  後退から前進へ。一転した動きと同時に突き出された腕。五指の先から伸びる爪撃を、オレは黒龍の刀身を胸の前に構えて受け止めた。  その勢いを利用して、後方へと跳躍する。ガーゴイルから距離を取ったオレと入れ代わり、先程までバカなことを言っていたシンが左側を駆け抜けていく。  ガーゴイルの相手はシンに任せ、オレはエレナとジークがいる場所まで後退し、そこで漸く地に足を着けた。  
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