司る者達

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 瞼の裏が、赤い。加えて、顔全体が無性に熱い。  この2つの現象によって、オレはゆっくりと目を開けた。途端、窓から差し込む日差しが目に突き刺さる。なるほど、原因はこれか。そういえば昨日カーテンを閉めてなかったな。  オレは顔をしかめながら起き上がり、一度大きな伸びをする。パキパキと背骨が小気味好い音を立て、なんだか身体が軽くなった気分だ。いや、実際軽い。しっかり眠れたおかげだろう。  ベッドから降り、洗面所へ向かい、顔を洗う。たったこれだけの行為でも清々しい。あぁ、寝れるって最高だ。  自分でも自覚できるほどハイなテンションで朝食の準備に取り掛かる。朝はパンだ。理由は、楽だから。昨夜は何の準備もしないで寝たし、朝から何かするのはめんどくさい。  袋から取り出したパンを一口かじり、何気なくある物に視線を向けたところで、オレの思考は停止した。 「……ん?」  視線の先には、時計。  ごしごしと目元を擦る。おかしいな、寝惚けてるのか? 8時半に見えるんだが……。 「……んん?」  何度擦っても時間が変わることはない。つまり……。 「……ハハッ……ハハハハ……」  目覚めは最高だった。 「やらかしたぁぁぁっ!」  しかし、時間は最悪だった。  
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