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それはある午後の3時頃。お嬢様は手元にあった綺麗な金色のベルで、執事を呼び出した。
ちりん ちりん
「お呼びでしょうか、お嬢様」
『喉が渇いたの、紅茶が飲みたいから用意して』
「チッ、かしこまりました。…誰か、お嬢様にアフタヌーンティーとそれに合うお菓子を」
『チッ、って舌打ちするなよ。そして自分で用意しろよ!』
「昨日指を全て火傷してしまったのでパキパキになって動かせないんです」
『嘘つけボケ!さっき普通に本を運んでいるとこみたぞ!』
「チッ、ガタガタうるせぇですよお嬢様。火傷したって言ったらしたんですよ」
『横暴すぎだから!なにそれ!もはや敬語ですらない!証拠見せろー!!』
「お嬢様、アフタヌーンティーとチョコチップのスコーンです」
『なんでシカトしたの。そして我が物顔で出すな!用意したメイドが不愉快そうだぞ!』
「そんな顔、してませんよ、ねぇ?」
「………はい、」
『その笑みで脅すのやめろー!明らかに言わされてるだろ!』
「紅茶が冷めちまいますよ、お嬢様、早く飲みやがれです」
『ですますつければ敬語だと思うなよ!てか私お嬢様!あんた執事!わかる!?』
「お砂糖はいくつにしますか?わかりました、10杯ほど入れておきますね」
『人の話聞けって!あ、ちょ、あっ…うわぁぁあん!!』
今日も、身の回りのお世話係の執事にいつも通り苛められて泣かされました。
(こいつ、こいつぅぅぅ!)
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