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女は両肘を机の上にのせ
手のひらで顎を支えて
刑事の顔を覗きこむ。
刑事は白い歯をこぼして苦笑い。
「君は起訴されるまで
留置所で過ごすことになる。
とりあえずそのイヤリングを
外してもらおうか?」
「どうして?」
女の表情に不快感はなく
目をクリクリさせて
楽しそうに訊いてきた。
「自殺するために
そのイヤリングを飲み込んで
しまうかもしれないから……」
「わかったわ」
女は意外にも
素直にイヤリングを外した。
「刑事さん……
いま、私が一番好きな
モノがわかる?」
女は微笑みながら尋ねた。
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