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「警備員さんのミスで
トイレの小窓の鍵の
閉め忘れがあったのは……
その四ヵ月後。
暑くて寝苦しい日だった。
家にあったサラダ油を
本に染みこませて
ライターで燃やしたわ」
刑事の額に
暑くもないのに
汗が浮かんでくる。
「なかなか燃えなくて
ちょっと時間が
かかっちゃったけど
半焼するまで
誰にも気づかれなかったわ。
消火活動がはじまった頃は
ほんとに焼け石に水だった」
刑事はため息を
押し殺して質問した。
「この写真の榎本拓哉と
知り合ったのはいつだ？」
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