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国が、敵に回った。
「ぶっつぶしてやりましょうよ!」
彼に向かって、彼の部下が楽しげに笑った。それに同調して、周りの部下たちもおお、と声を上げる。
「軍なんて俺らの前では大したことありませんって。なんせこっちは自然魔法を唱えてるんだからな」
「そうだ。どんな人間だって、自然災害には勝てないんだからな」
口々に似合わぬ言葉を吐き出しながら、戦いに飢える部下たちに、彼は眉根を寄せた。
「待て。じきにここも長くない。荷をまとめろ。長期戦の覚悟をするんだ」
そう告げると、部下たちはこぞって声をあげた。批難の声もあれば、長期戦に喜ぶ声もある。
「出発は今夜。もたもたするな。女どもは逃がせ」
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