訪問者

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「全く、なにを朝から騒いでいるんだ?社長大丈夫かぁ?」 と、軍人タイプのアンドロイドが寝室のドアを開け、心配そうに覗いた。 「アッ、イラッシャイ、アイアン=ジョウ、ナンデモナイノヨ、イツモノコトナンダカラ。」 と、鼻歌を歌いながらお手伝いロボットは部屋を出て行った。 ベッドでトーストを片手に口を「ハァ~ハァ~」と熱そうにしながら悶えているデロスに軍人タイプのアンドロイドが 「本当にあのお手伝いロボットは社長の奥さんをモデルにして作ったヤツなのか?俺にはどうも、理解不能なところがあるんだが……」 神妙な表情をしながらデロスの顔を覗き込んだ。 「あぁ~っ…、確かに理解不能なところは沢山あるだろうが、あれは間違いなく俺の妻のミホシだよ。ただ……」 真剣な表情になったデロスをアンドロイドは見ながら聞いた。 「ただ、何だ?」 すかさず、デロスは「ニッ」と笑って言った。 「スクラップで10年掛けて作った結果があぁなっちゃったんだよぉ~っ。タハハハ~ッ」 と、照れ笑いしながらトーストを食べ、アイアン=ジョウを見た。 「10年間掛けてアレは無いんじゃないか?あれは酷すぎると思うだか……」 確かにその通りだ。キャタピラに胴体は箱型で腕は2本指のマニュピレータ……、誰が見ても奥さんには見えない。 「しょうが無いじゃないかぁ、程度の良い部品は全部お前達に使っているんだからさぁ~」 寝転がりながら開き直ったようにデロスが言った。 それを見ていたアイアン=ジョウは呆れかえりながら 「愛している人をモデルにしているなら、もっとマシな格好にしてやった方が良いんじゃないのか?」 と言うと、デロスは突然起き上がり 「さっ、仕事、仕事っと」 と言いながら作業着に着替えて部屋を出て行った。 アイアン=ジョウはため息をついて呆れながらデロスの後を追って部屋を出て行った。 家から出るとスクラップの山がところ狭しと置いてあり、その間を真っ直ぐ300メーター進んだ所に今にも崩れそうな 建物があった。その看板には“センターシティースクラップ”と丁寧に手書きで書いてあった。 中に入ると、3人のアンドロイドと1人のロボットが待っていた。 1人はアイアン=ジョウと同じタイプ、もう1人は格闘家タイプ、共に椅子に座っていた。あと1人は2メートル以上は有る大男で見るからに力がありそうな感じで、そびえる様に立っていた。
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