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本当の目的
「え、え~~っ???何だよそのヒーローになれって??????」
アイアン=ジョウ達は驚き、一斉にデロスの顔を見た。
「なんだか、みんなの視線が怖い気がするんだが……、気のせいか…な?アハハハ!?」
デロスが挙動不審な笑いを見せると
「当たり前だ!!社長は俺達をスクラップ屋で静かに働かせてくれるために修理してくれてたんじゃ無かったのか?」
とグレンがデロスのもとまで歩いて行き食い付いた。
「あ、あ~~っ、、、最初は確かにそうだったんだけどね~…。少し事情が変わってしまったんだよ」
脂汗をかきながらデロスはみんなに説明を始めた。
「実はさ~…。3年前に知り合いが謎の死を遂げてから、俺はこの手でナゼあんな良い奴が死ななきゃならなかったのかを突き止めたくなって、どうしようもなくなってしまったんだよ」
「確かに、その事件なら俺も知ってはいる。社長は1ヶ月間誰とも話をせずに“パルス”をゼロから作り出したんだっけなぁ~…、でっ、その個人的な話に俺達は付き合わされる羽目になった…、って事なのか?」
アイアン=ジョウが呆れた顔でデロスに尋ねた。
「それだけじゃない。」
何時になく真剣な顔でデロスは何かを決めたように
「今、100%人間っていう人口が急激に落ちている、このまま黙って指をくわえてみていたら……、人間という命の存在が無くなってしまう。俺は人間に生まれてきて思う事がある…」
みんなはそれは何だと言わんばかりにデロスを見つめた。
「それは、命の大切さを知る事が出来た事だ!命とは、有機体である物に脈々と伝えられてきた一つの意志だと思うんだ。それが今、得体の知れない者に消され始まっている………。許せない…。絶対に許せないんだ!」
熱く語るデロスを見てアイアン=ジョウの中の何かが「カチッ」とスイッチが入る様に変わった。
「やってみるか…。そのヒーローって言う奴を、スクラッパーズって言う奴をさ。みんなはどぅ思う?」
アイアン=ジョウが仲間に問いかけた。
「悪くはない話だと思うぜ。俺とアイアン=ジョウは元々、人間に仕える軍隊仕様のアンドロイドだったが、人の為にではなく人を殺す為に造られてしまった存在だ。せめてもの罪滅ぼしに、人間の為に一肌脱いでも良いぜ」
とグレンが「ニヤリ」と親指を立てて見せた。心強い見方が出来たとアイアン=ジョウも大きくうなづき、また仲間に尋ねた。
「他の者はどうだ?やってみる価値はあると思うが…」
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