念願の退学

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今日私は学校をやめる。 あーだこーだ 言われるのが嫌で 先生達には内緒で 体育の講師に 退学届けをもらった。 親は私が 学校を辞めたいと 打ち明けた時 何の抵抗もしなかった。 友達や 部活の仲間はおろか ましてや クラスメートなんかには 言うつもりもない。 つらかった。 毎日毎日繰り返し たんたんと流れていく日々 まわりには常に友達がいて おしゃべりして 馬鹿やって 笑いあう そんな毎日に私は 常に孤独感を感じ 必死に独りで闘ってた。 心の休まる時なんか これっぽっちもなかった つらかった。 でも今日やっと 終わりを迎える。 私はこれでもう一度 人生をやり直せる そう確信した。 その瞬間 私は重大なことに気付いた 私にはやらねば ならぬ事があったのだ 気付きたくはなかった。 退学届けを担任に出さなければならない どうしよう 私の担任は私の事を とても理解していてくれて、 どんな時でも信じてくれてた。いや、信じきっていた。 そんな担任に今から 退学届けを出しに行く どんな反応をするだろうか 怒られるのだろうか それとも、 義務教育ではないから あっさり 受け取ってもらえるのか 悪い予感がする でもまぁ 早く済ませてしまおうと 決めた。 足どりが重いが前へと 足を止めることはなかった 「...失礼します」 出来るだけ目立たないように いつもより 小さな声で職員室に入った やった! 担任がいない 今だ!と思って、 急いで机の上に裏返しに置いた 逃げようと振り返ると 目の前に担任が立っていた。 ...最悪だ まさか、 このタイミングだなんて 本当についてない おかしいな今日は占いで一位だったのに...
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