いのち

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私の中には もうひとりの少女の命が宿っている 『あいりが生まれていたら、あなたはいなかったかもしれないのよ』 母から聞いた言葉 まだ幼かった私は、何を思うこともなく そうなんだ と頷いていた 月日が巡り 私は16になり、高校に通っていた 内気で引っ込み思案な私はあまり馴染めずにいた… 『あいつ、いらないんだけど』 『ほんと使えねーよなぁ』 一部のクラスメートからの中傷的な発言や行動を受け 私はいつしか思うようになった (私はなんでここにいるの?なんで生まれてきたの…?) そして頭によぎる母の言葉 ―あいりが生まれていたら、あなたは… (そうだ…私は生まれちゃいけなかったんだ…あいりが…あいりが生まれてきたら良かったんだ…っ) 悲しみ、不安、周りの目 それらが与えるプレッシャーに私は押しつぶされそうだった ある日、私は自らその命の灯火を消そうとした… けれどその場に駆けつけた友達が刃物を取り上げ、もう片方の手で 私の頬を平手打ちした 友達を見上げたら、涙を浮かべていて 胸が詰まった なんて馬鹿なことをしたんだろうと 後悔して、謝った 友達は私を抱きしめて言った 『リセットして明日からやり直そうね』 その言葉を聞いた時、色んな感情でいっぱいになって 涙が出た 母のあの言葉には続きがある 『だからね、あなたを授けてくれた天の恵みに感謝して<めぐみ>って名前にしたのよ…』 そうだ 私は、生きなくちゃいけない 生んでくれたお母さんのためにも 私を救ってくれた友達のためにも そして あいりの、ためにも どんなに辛いことがあっても うまくいかなくても 大丈夫 だって私は ひとりじゃないから 支えてくれるたくさんの人たちに ―…恵まれているんだから… ―end― テーマ『命』 これは私の実話を元にしたフィクションです。最近なれない仕事で不安が沢山あり憂鬱になります すべてが嫌になるときもありますが 生まれてきたくても生まれてこれない命もある… だから皆さんも生を授かった奇跡をどうか忘れずに、自分を大切にして欲しいのです 長くなってしまいましたが、読んで下さった皆様有り難うございました
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