初めての恋が終わる時

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はじめてのキスは 涙の味がした… まるでドラマみてぇな恋 見計らったように発車のベルが鳴った (ハァさみぃ) 冷たい冬の風が俺の頬を掠めた (綺麗だな.魔法かけたみてぇだ...あいつと見たかったな...) どうしても言えなかった この気持ち 押さえ付けた 前から決めていた事だ これでいいんだ 振り向かねぇから… ありがとう サヨナラ (ダメだ 思い出しちまう..でも 泣いたりしねぇから…) フワッ (雪?……っ) 駅へと続く大通り (あの二人楽しそうだな) 「ほら見て初雪!」 (俺もあいつとあんな風になりたかったな…こんなもの作ったって…) どうしたら渡せたんだろう (意気地無し…怖かっただけか…) 思い出になるなら このままで構わねぇって それは本当なのか? (もう自分自身がわからねぇ) ありがとう サヨナラ いつかこんな時が 来てしまうことわかってたはずだろ? なのに… (チッ...体が震えてやがる!もうすぐ列車が来るのに…) それは今になって 俺を苦しめる (繋がりてぇ) 俺はそれをどれほど願ったんだろう この手は空っぽ 「なぁ サヨナラってこういうことなのか?」 (行かねぇとな…そんなんわかってるさ…オメェが優しい事だって知ってる) 「…手 離せよ」 「出会えてよかった お前が好きだ」 ありがとう サヨナラ (なんでこんな一言が言えねぇんだよっ!!) (今だけ…今だけでいいから…俺に勇気をください) 「あのな――」 チュ 「―――っ!!」 (今だけは泣いていいよな…) (もう言葉は要らねぇ お願いだ…しばらくはこのままで…) 来年の今頃には どんな俺がいて どんなお前がいるんだろうな... Fin
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