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《放課後》
「なぁ、達也?お前は部活、何するつもり?」
下校の道で、早速ながら積極的に絡もうとする男子二人と俺は部活の話に火がついた。
達也「そういうお前はどうなんだ、三代?中学ではバスケだったんだろ?」
「うーん…バスケもやりたいけど、この高校の部活って面白そうなのがたくさんあるから悩んでて……」
「あっ、実は僕も悩んでるんだ!でも、上野がバスケに来るんだったら僕もバスケ続けるよ、ハハッ!」
達也「なんだよ、それ!」
俺は笑いで受け流したが、実際俺も部活について悩んでいない訳ではなかった。
中学では4つぐらいの部活を兼ねていたが、高校では流石にそれが出来る自信がないので、一つか二つに絞ろうかと考えていた。
しかし、実際選ぶとなると決めづらい事だった。
達也「どれを切るか……だよな~…」
「へー!上野も悩むんだ!人間らしいとこ、初めて見たわ!」
達也「俺は産まれた時から人間だ!」
「ハハッ!あ、僕は家こっちだから…また明日!」
「俺もこっちだ。じゃーな!」
達也「おう、じゃーな~…」
二人に別れを告げて、俺はまだ何も入っていない鞄を肩に担いだ。
学校が始まって二週間……
順風満帆な高校生活のスタートだ。
これからの高校生活を考えるとワクワクテカテカした。
達也「よーし…頑張るぞ!」
何を頑張るのかは分からない、漠然とした言葉が溢れた。
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