1人が本棚に入れています
本棚に追加
やらかした、完璧に乗り過ごしてしまった。
とはいえ、バスに罪はない。
悪いのは寝坊した自分なのだ。
過ぎたことはどうしようもない。
頑張れば、ここから走っても15分以内には駅に着けるはずだ……って、またマラソンかよ…。
そんな風にうなだれていると、
「あの、すいません…?」
不意に後ろから呼び止められた。
振り向くとそこには、小柄な少女が一人。中学生くらいだろうか。
セミロングの栗色の髪を春風に揺らして、控えめにこちらを見ている。
なんでだろう、心なしか警戒されている気がする…。
まぁ、大声を上げて全速力で走ったり、突然うなだれたりしてれば当たり前か。
「えっと、何かようかな?」
せめて印象を変えようと、優しく応対してみる。
最初のコメントを投稿しよう!