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「閑?」
「うるさ…いっ」
震えが止まんないんだよ…
急に盛られても、嫌じゃないけど…まだ…
怖い。
「…触るだけならいいか?イヤならしない」
コクンと頷くしかできない。
奥歯噛み締めて我慢してる、喋ったら嗚咽になりそうだった。
なんとなく気まずくて、俺は孝にぎゅっとしがみついた。
「嫌なわけじゃないからな」
「わーってるって、がっつき過ぎた」
またキスをして、お互いに触れ合った。
それすらも、心臓が煩いくらいだった。
「幼稚すぎるよな…」
少なからず沈んでた。
孝は俺の呟きに苦笑してる。
…否定はしてくれないんだな。
勿体付けてるわけじゃないし、イヤでもない。
ただ、怖いし、痛そうだし…未知のことだから一歩が難しい。
孝からしたらまどろっこしくて面倒だよな…
「…ごめん」
俺だって男だから、もし目の前にチャンスがあんのにストップかけられたらモヤモヤすんの理解できる。
「…ごめん」
他に何言っていいか分からずに繰り返せば
「暗いわ!」
ペシッと軽く叩かれる。
「極論だが、したくないならしなくてもいいんだよ、俺はお前と居たいだけでそれ以上は贅沢だと思ってる。でも、お前はイヤじゃないって言ってんだからそれくらい待つ…かなりキツいのは確かだけど…」
しっかりと目を合わせる。
「今はこれだけでも充分だ」
嘘でも強がりでもないから、孝は目をそらさない。
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