序盤の情報はこの程度

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母親からの荷物を片付けると、孝からお菓子を見せられる。 …どうやら餌付け作戦のようだ。 お菓子貰ったくらいで好きにはならない。 けど、少し雑談くらいなら付き合ってやってもいいぞ。 俺はコーヒーをいれリビングでくつろいだ。 「そいや、久臣に恋人が出来たらしいんだ。今までより自由な時間が増えるから…その分遊ぼうぜ?」 まぁね… 険悪なルームメイトよりは楽しくやっていきたい。 「好きになるとは別だからな」 釘だけは指しとかなきゃ不安だから、鋭く言い放つが、孝には分かってるんだか? …はぁ 「因みにちょっと気になったんだけど、芳澤先輩って彼女いるんだ?」 爽やかで雰囲気よかったもんな。 それで将来性もあるんだから女がほっておかないか。 「イヤ、違う」 だが孝は即否定した。 いま、恋人が居るって言ったばっかじゃん? 「『彼女』じゃなくて『恋人』…わかる?」 なんかバカにされてる聞かれ方だな。 しかし、言われたことが気になって考えてみる…彼女じゃないなら… 「昨日から付き合いはじめたらしくて、昼休みに紹介された」 昼休み…? だって男子校… 「!?」 思い当たって絶句した。
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