1535人が本棚に入れています
本棚に追加
母親からの荷物を片付けると、孝からお菓子を見せられる。
…どうやら餌付け作戦のようだ。
お菓子貰ったくらいで好きにはならない。
けど、少し雑談くらいなら付き合ってやってもいいぞ。
俺はコーヒーをいれリビングでくつろいだ。
「そいや、久臣に恋人が出来たらしいんだ。今までより自由な時間が増えるから…その分遊ぼうぜ?」
まぁね…
険悪なルームメイトよりは楽しくやっていきたい。
「好きになるとは別だからな」
釘だけは指しとかなきゃ不安だから、鋭く言い放つが、孝には分かってるんだか?
…はぁ
「因みにちょっと気になったんだけど、芳澤先輩って彼女いるんだ?」
爽やかで雰囲気よかったもんな。
それで将来性もあるんだから女がほっておかないか。
「イヤ、違う」
だが孝は即否定した。
いま、恋人が居るって言ったばっかじゃん?
「『彼女』じゃなくて『恋人』…わかる?」
なんかバカにされてる聞かれ方だな。
しかし、言われたことが気になって考えてみる…彼女じゃないなら…
「昨日から付き合いはじめたらしくて、昼休みに紹介された」
昼休み…?
だって男子校…
「!?」
思い当たって絶句した。
最初のコメントを投稿しよう!