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優ちゃんの病気はまだよく分かっておらず、完治までどれだけかかるか予想が付かない。
しかも、病状を悪化させない特別な治療にはお金が掛かった。
とにかくお金が必要だった。
そうしないと妹が死んでしまう。
少しでも金額がいい仕事を探した。
だが、中学生の孝に出来る仕事なんてアルバイトレベルだ。
…とてもそれじゃやっていけない。
無謀だと分かっていながら、有名な企業に飛び込んだりもした。
でも、中学生。
もちろんアポイント取ることも知らない。
当然のように門前払いだった。
「人が必死で駆けずり回ってんのに、同級生は高校に受かったとか…報告してくるんだ…」
自分もそうあるはずだったのに…、まるでガラスの壁の向こう側の出来事に感じたらしい。
俺だって…まだ、学校へ行きたかった。
逆恨みでも、何で俺だけ苦労しなきゃいけないんだ?
こんな年で社会に放り出されなきゃいけないんだ?
悔しかった…
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