伏線回収

7/25
1531人が本棚に入れています
本棚に追加
/205ページ
優ちゃんの病気はまだよく分かっておらず、完治までどれだけかかるか予想が付かない。 しかも、病状を悪化させない特別な治療にはお金が掛かった。 とにかくお金が必要だった。 そうしないと妹が死んでしまう。 少しでも金額がいい仕事を探した。 だが、中学生の孝に出来る仕事なんてアルバイトレベルだ。 …とてもそれじゃやっていけない。 無謀だと分かっていながら、有名な企業に飛び込んだりもした。 でも、中学生。 もちろんアポイント取ることも知らない。 当然のように門前払いだった。 「人が必死で駆けずり回ってんのに、同級生は高校に受かったとか…報告してくるんだ…」 自分もそうあるはずだったのに…、まるでガラスの壁の向こう側の出来事に感じたらしい。 俺だって…まだ、学校へ行きたかった。 逆恨みでも、何で俺だけ苦労しなきゃいけないんだ? こんな年で社会に放り出されなきゃいけないんだ? 悔しかった…
/205ページ

最初のコメントを投稿しよう!