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久臣は今現在の自分の状況を教えてくれた。
中学校では毎日ものものしい形で警護されていること。
警護と同時に監視されているような気分になって窮屈な事。
友人も遠慮して近づかないこと。
「ホント息が詰まるよ。中学はあきらめたけど、高校では普通の学園生活ってのを味わってみたいんだ…それには芳澤グループには敵が多い。ボディーガードは必要なんだ」
「だから俺…?」
「偶然にも同じ年だしね。」
久臣は嬉しそうに笑った。
普通の高校生活で友人に囲まれて過ごしたい…
その友人に俺は入っているのだろう。
どうやら気に入られたようだ。
高校費用はもちろん負担してくれるらしい。
行けないと思っていた高校進学が出来る…
しかも、額もすごく良く、妹の治療費がまかなえる。
「やる!」
何の迷いもなかった。
やらない理由なんかない。
こんな好条件、もう絶対ない。
だが、提示しといて久臣は頭を左右に振った。
「そう言ってくれるのは嬉しいけどデメリットも説明させてくれ、騙すような形にはしたくないんだ」
どうどうと人を猛獣のように諫めて、また違う書類を出す。
「もちろんこちらでかけるが…保険金だ。怪我と死亡保険」
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