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シンと静まり返り、両親が息を飲んだ。
「…随分高額な保険料ですね…」
父親はその意味を悟って顔を歪めた。
母親は書類から目を逸らした。
「はい。…あくまで学園内だけのボディーガードの予定です。学園外では今迄通りのボディーガードで支障ありませんから。だから孝の敵は主に学生になるでしょう。それでもかなり危険です」
母親は黙りこくって小刻みに震えている。
そんな非日常、いきなり言われても分からないし、なぜ息子が巻き込まれなきゃいけないのか理解できないようだった。
「しかも、端目にはケンカをすることが多いので不良のレッテルを張られる事になると思います」
そんなのかまう事じゃない。
素行が悪いと思われようが、特段支障はない。
「危険って久臣もだろ?」
狙われてるのは久臣だ。
俺ばっか危ないみたいに話すが、どんなに守られていても、一番危険なのはやっぱり久臣だ。
こんなお坊っちゃんに出来て俺に出来ない訳がない。
「俺はやる!」
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