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ほら、俺には客観的に見えるから分かるのに、孝には伝わってない。
「馬鹿馬鹿しい!結局、悶々と相手に悪いと悩んでることちゃをと謝ってないだけじゃんか」
謝られないと『そうじゃないよ』と否定してあげることも出来ない。
それで誤解して思い込んで、相手に悪いと…そう言い訳して、相手は嫌々なんだと見縊っている。
「ほんとまどろっこしいバカだ!気を遣うくらいならぶちまけろ!芳澤先輩は孝の言葉も届かないような嫌な人じゃないだろ?いい人だからこそ申し訳ないと思うんだろ?」
とにかく話し合えバカ!
そんなの罪悪感感じることじゃないだろ?
相手は絶対まっっったく気にしてない。
「俺が2年半以上悩んできた事を、バカですませるか…?」
怒らせたか?
バカって言いすぎたか?
でも、そう思うんだからしょうがないだろ。
「バカですませる。話し合えバカ」
「お前…」
不意に動いた孝に殴られると身を固くしたが、
「だから好都合なんだって」
いつかみたいな甘い声と、抱擁。
「なんでもないように簡単に言うよな」
抱き締められている所為で耳に近いトコから聞こえる声は吐息まで聞こえる。
「すげーな…ヒョイとすくい上げられるような気がする」
抱き締める腕に力が込められる。
…あれ?なんかヤバくない?
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