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「…久臣から呼び出しだ、行って来る」
「え?」
危機が去ってホッとはしたが、もやもやが生まれる。
今聞いたばかりの話を思い出した。
わざわざ呼び出すって…何かあったんだよな?
『危険』ってことなんだよな…
恋愛対象じゃなくても、孝のことは嫌いじゃない。
できれば危ない事とかしてほしくない。
でも、仕事だもんな…
「気を付けてこいよ」
ぶっきら棒に吐き出したが素直な言葉に頬が熱い。
「なに?心配してくれんの?」
からかわれてるのは分かっていたが、黙秘で否定はしない。
「…そういう可愛い事すんな」
孝は横を通り過ぎ様、俺の頭を撫でて呟いた。
…可愛くなんてねーよ、バカ。
孝が出掛けていき、とたんに暇になった。
自分の部屋に入り、ベッドに寝転がるが、睡魔がやってくる気配はない。
…芳澤先輩はそんなに狙われるのかな?
孝は、どれくらい強いんだろう。
学校外だから他の護衛とかも居るんだよな?
怪我して帰ってきたりすんなよな。
身をさらに丸くすると、眉間に皺が寄った。
人を心配して待つ時間は…イヤだな。
何度も寝返りを打つが、全く眠くならなかった。
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