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すっかりココアが覚めてしまった頃、玄関の方から物音がした。
時計を見ると結構時間が経っていた
随分考え込んでたんだな…気が付かなかった。
「まだ、起きてたのか」
表れた孝を上から下までじっくり見る。
良かった…怪我はないみたいだ。
「明日休みだし…夜更かししても問題ないだろ」
まだ入っているココアに目をそらす。
とても孝を見れない。
ごめん…ごめんな
俺、自分に何かできるなんて知らないうちに慢ってたんだ。
力になる事すら何も浮かばないのに。
「閑?」
やばい、普通にしなきゃ。
訝しまれてる。
いつもみたいに…
「どうした閑?」
~~~~っ!!
心配されているのが申し訳なかった。
そんな自分が情けない。
「俺が心配されてどうすんだよ!」
バン、とテーブルを叩きつけながら立ち上がって、キッと孝を睨んだ。
「考えたけどやっぱ俺は…」
「好きだ」
「!?」
脈絡ない言葉の返しだったが、俺の言葉を止めるには充分な効果があった。
動機が落ち着くのを待って、声を絞りだす。
「俺は何もしてやれない…」
「何もしなくていい」
「好きにもなれない」
「させる」
「…っ!!重いんだよ!俺に期待されても!!」
俺には力なんかない。
カウンセラーでもないんだ。
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