伏線回収

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進展も終わりもない関係なんてよくないだろ? 「あ~もう」 孝は体を放すと、顔を覗き込み八の字になっていた眉をぐっと両手で顔を包むような形で横に引っ張って延ばした。 「お前は難しく考え過ぎなんだよ」 …そうかもしれない。 考えすぎて頭飽和状態だ。 「お前、頭悪いんだからおとなしくなるように流れとけ」 「事実だがずばっと言うな」 両手を払う。 たが、気持ちが晴れた。 考えても仕方ないのは…孝の言うとおりだ。 「疲れて帰ってきたのに、変な話して悪かったな」 「別に。それにお前が言ったんだろ?『言わないと分からない』」 それは孝と芳澤先輩の二人の関係のために言った言葉。 「話をすんのは無駄じゃねーよ」 ニカッと笑って大きな手で、髪をぐしゃぐしゃと混ぜた。 「やめろよ!」 頭を抑えながらも認めざるをえなかった。 こいつ…いい男だな。
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