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「さ、俺は風呂でも入って寝るわ」
疲れてるんだろ、ダルそうに伸びをしながら風呂場に向かってしまった。
話はこれで終わりだ。
残された俺は、こぼれたココアを片付ける。
俺が、女だったらよかったと…そんな考えがよぎったが、頭を振ってすぐに消した。
「あ、そうそう」
台拭きを洗っていると、風呂場からエコーのかかった声が響いてきた。
なんだ?
なんかまだ話があんのか?
耳を澄ませ続きを待つ。
「お前、部屋に鍵かけて寝ろよ」
嫌な予感がしながらもさらに続きを待った。
「じゃなきゃ襲うからな」
やっぱりか!!このド阿呆!!!
「お や す み !!!」
ガチャン
わざと聞こえるように乱暴に鍵をかけて部屋にこもる。
孝の笑い声が聞こえた。
ふざけてる…けど、力が抜けた。
孝の居るという存在感に今度はすんなり眠れそうで、俺はベッドに潜り込んだ。
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