愛先ラブセン

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十条要ジュウジョウカナメ 君影キミカゲ学園2年 執行部会計。 父の転勤が決まり最初は引っ越す予定だったものの、諸々の事情により単身今の街に残ることに。 そして今日は賃貸マンションの入居日だった。 …のだけれど。 いやねえ、ごめんなさいねえ。本当に申し訳ないねえ。 はあ… さっきからひたすら俺に謝ってるこの人は不動産屋のおじさん。 どうして謝っているかというと… しかしねえ、本当にねえ、どうしてこんな手違いがおきるかねえ。まったくねえ、ごめんねえ。 でもこのままじゃ十条さんもねえ、住む場所がなくなっちゃうからねえ、おじさんねえ、がんばるからねえ。 よ、よろしくお願いします。 簡単に説明すると、家賃やらなにやらの問題で、俺は今日から相部屋の賃貸マンションに入る予定だった。 ところが、どこでどう行き違ったのか、入る予定の部屋はすでに埋まっていて満室状態。 それで、とりあえず数日分の着替えを詰め込んだボストンバックをぶら下げて、こうしておじさんとあれこれ歩き回っていた。 (うう、幸先辛いなぁ) あ、ここだねえ。入ろうかねえ。 あ、はい。 俺はおじさんの後について、結構高そうなマンションのゲートをくぐる。 おじさん’どうもですねえ。不動産屋の木下ですねえ。 おじさんはインターフォンを押して、住人にあれこれと説明を始める。 夏姫’はあぁっ!?何言ってるんですか!? 要’うわっ!? インターフォンから飛び出すぐらい大きな声が聞こえて、おじさんと一緒に俺までびっくりしてしまう。 おじさん’まあ、そのだねえ。とにかくよろしくなのだねえ。 要’あっ!ちょ、ちょっとお! ダダダ-っと一目散に走り出したおじさんは、そのまま非常階段経由で行ってしまった。 要’…………………
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