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2人は忍び足で
アルスの父ボルカノと
アルスの母マーレが1階で寝ている。
ゆっくり音をたてないように
階段を下りて扉を開けた。
空は真っ暗で星が綺麗な夜だった。
夜に親に内緒で出かけるなんて初めての経験でアルスは胸が高鳴った。
2人は遺跡に急いだ。
夜の遺跡は昼間見るよりも不思議めいていて
なんだか怖かった。
2人は賢者の像の前に立った。
「俺たちが祈れば開くかもしれないんだ。いや、きっと開く!」
キーファは自信に満ちていた。
「いくぞ?扉よ・・・!開け!」
「開いて!」
2人は祈った。
すると賢者の像が持っている杖の先端が光った。
賢者の像はゴゴゴという音とともに
ぐるりと回り後ろにある遺跡の入り口のほうに向いた。
杖の先端の光はまっすぐ入り口を突き刺し
扉が開いた。
しばらく2人はぼーっと突っ立っていた。
「ほ、本当に開いた・・・」
キーファはそうつぶやくと
はっと我に返り、
入り口まで走っていった。
「ま、待ってよ!キーファ」
アルスもキーファに続いた。
2人はごくりと唾を飲み込み、
中に入った。
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