冒険の世界へ

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「アルス‼遅いぞ、アンチョビサンドは 持ってきたか?」 ボルカノは船から 降りてきながら言った。 「持ってきたよ。ほんと父さんこれ、 好きなんだから・・・はいっ」 アルスは小さいきんちゃくを ボルカノに渡す ボルカノはひったくるように アルスからきんちゃくを 受け取った。 「母さんが 作ってくれたこれがないと、 元気でねえんだ」と 言いながら アルスの目の前でモグモグ 食べ始めた。 「・・・ん?まだいたのか アルス。下に行って 芋の皮むきでも 手伝ってこい‼」 「はいは~い」 ふふと笑みを浮かべて ボルカノを見ながら アルスはそばにある階段から 船室に入った。 船室に入ると 「お、アルス。おはよう」と 多くの船員から声を かけられた ボルカノは グランエスタード城の王様にまで その名が知られている 評判の漁師だ。 だからその息子ということで、 アルスの名前もみんな 知っているし、 小さい頃から世話してもらっている。 「おはようございます」 アルスは丁寧に1人1人挨拶しながら 料理場に向かった 料理場に向かう途中 タルがいっぱい置いてある 部屋にさしかかった。 よく見るとそこには 「ま、マリベル?」 マリベルがこっちに背中を向けて 隠れていた 「あ、アルス⁉しーっ!静かにしてよ」 「アルスかあ!元気か? あ!マリベルお嬢様!いけません、 こんなところにいては!」 料理長が通りかかりマリベルを 見つけてしまった 「私だって漁に連れて行ってよ~」 「いけません。さあ、お父上に 怒られる前に」 「ちぇっ、アルスがいけないのよ!」と マリベルは怒って船室から 出て行った。
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