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「まったく、マリベルお嬢さんときたら・・・
そういえばアルス、
なにか用事があったのか?」
「あ、えっと父さんが
芋の皮むきでも手伝ってこいって」
「あ~芋の皮むきならもう終わったよ、アルス上行っていいぞ」
料理長はアルスの頭に手をポンと置いて料理場に戻っていった。
アルスが上に戻ると
ぷーーと汽笛がなった。
「アルス、もう出航の時間だ。俺が留守の間母さんをよろしくな!」
ボルカノはアルスの頭をわしゃわしゃしながら言った。
「わかったよ、父さん。気をつけてね」
「ああ、たっくさん魚持って帰ってくるから」
「うん!」
アルスはボルカノに手を振りながら船を降りた。
ぷーーとまた汽笛が鳴って船は海へと旅立っていった。
「よし、家にでも戻って昼寝でもしようかな」
アルスは、ふわあとあくびをしながら家に戻ろうとした。
「あ!アルスさん!」
前から城の兵士の若い男性がアルスを見つけると駆け寄ってきた。
「どうしたんですか?兵士さん」
「キーファ王子がアルスさんを呼んでこいとおっしゃったので参りました」
キーファ王子は
エスタード島を統治しているグランエスタード城の王子。
アルスを弟のように思って小さな頃から一緒に、あちこち探検したり、遊びにと連れ歩いている。
「キーファが?わかった、すぐいくよ」
「お願いします、では。」
兵士は一礼して駆け足で城へと戻っていった。
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