3人が本棚に入れています
本棚に追加
呆然と立ち尽くす私を見て
クスクスと笑う母親。
『想像以上の反応だったわね』
「えっ!?話してなかったのかい?」
『ちょっとしたドッキリね』
そんな2人の会話を聞いて
我に返る。
『ちょ、ちょっと、今のって。』
私はコーヒーを飲んでいる
2人に向かって声を荒げる。
心臓が口から出るんじゃないかと
言うぐらいに高鳴ってる。
『まぁ、落ち着いて座りなさいよ』
母のセリフにハッとし私は
さっきまで座っていた椅子に
座り直した。
「ごめんね、てっきり愛花ちゃんも
知ってるものだと思ってて」
『真琴さんって…まさか…』
「うん、ツインズって
2人組の歌手の1人」
『や、っぱり…』
私達2人のやり取りを
のんびりコーヒーを飲みながら
聞き入ってる母に私は
『お母さんっ!何で黙ってたの!?』
『だってー。驚かせたかったんだもん』
『驚き過ぎて腰抜かすかと
思ったわよ!!』
そんな私達のやり取りを
止めるかのように
「まあまあ」と父は呟いた。
そう、間違いなく
あの真琴さんは
有名人のMakotoだった。
ツインズとは今人気の
トップアイドルで
MakotoとSeiyaの2人。
人気があるのは
Makotoの方。
でも、私はどっちが
好きとかそんなんじゃなく
純粋に2人共好きだった。
ある意味私からしたら
この2人は異次元に住む人達で
私が住んでいるこの世界には
存在しないなんて思っていた。
それがこんな形で会うなんて。
夢みたい…
この時の私は
真琴に会えた喜びだけで
テレビとは違う
本当の真琴の姿に
当然気付くはずもなかった。
そして…
これが波乱の三角関係の
幕開けだということも
この後に待ち受けている
自分の運命も
勿論、知る由もなかった――
To be Continue...
最初のコメントを投稿しよう!