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外壁は武骨な砂岩。
だが内装はというと、ビロードを惜し気もなくふんだんに使いまくった嫌味な位少女趣味な空間だった。
色んな意味で目が眩む巨大シャンデリアの輝き、そして何故か沢山ある獅子の大理石彫刻達。
「信じらんない、趣味悪過ぎ」
「おおおお嬢様、誰が聞いているとも判りませんよ!」
「いいわよ! むしろ望む所だわ」
小柄な少女が腰に手を当て、尊大な態度で老執事を困らせている。
「お嬢様、後生ですからもう少しおとなしくなさって下さい。もう他のお客様はお休みになられている刻限ですよ」
「なっ、趣味悪い上に貸し切りじゃないの!? 招いておいて、失礼にも程があるわ!」
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