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雪が降る満月の夜
――グチャッ…ベチャッ――
血の飛び散る音が響く。
『アハッ…アハハハハッ』
狂ったような笑い声だが、この声には悲しみを帯びていた。
『アハハッ……ッナンデ?……ナンデコンナコトニナッタノ
ッ ド ウ シ テ ?』
血の海と人間だった肉の塊の中心に立つ人物がそう静かに言った。
月明かりに照らされて、
その人物の顔が明らかになる。
5~6歳くらいの少女だった。
少女は服はボロボロで、身体中に血がベットリ着いていて、
片手には約1メートルくらいの刀が握っている。
もちろん、刀は恐ろしいほどに
美しく、幻想的に血に塗られていた。
この刀で周りにある肉の塊をヤったのは一目瞭然だろう……
バタッ
少女は膝をつく……そして――
『ア゛ァァァァァア゛ァァァー』
絶望の声をあげながら
一粒、二粒と涙を流した。
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