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気づくと、和仁はくゆりの部屋にいた。
そこには、和仁の新しい名前が用意されていた。
『紅(くれない)』
それは、紅梅の紅だった。髪もその色になる。
そこに、優と和が来て、声をかけた。
2人とも、くゆりと同じような物を着ていた。
「おめでとう、和仁さん」
「おめでとうございます、和仁様」
「ありがとう、優くん、和くん。僕、これからは、紅になるんだね…」
すると、くゆりが何かを口に入れそれを、和仁に口移しで渡した。
「…!!!く、くゆ…りさんっ」
「大丈夫、しばしの我慢だ」
それは、何とも言えない味と刺激がした。
苦しそうな和仁を、くゆりがギュッと抱きしめた。
「あっ、あ…あぁあっ…!!」
和仁が、口の中の刺激を感じなくなった時
明らかに、今までと違うと感じた。
目の前のくゆりは、嬉しそうに笑った。
「紅…とても美しいよ」
鏡を見ると、なるほど…髪と瞳の色が、すっかり変わってしまっている。
赤でも、ピンクでもないその色は和仁…いや紅にピッタリだった。
紅は、くゆりに抱きつき、なかなか離れなかった。
髪と瞳が変化した事は、和仁がくゆりを本当に愛するようになった印だったのだ。
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