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「言ったかなぁ?」
確かに最近先輩と揉めてしまってバスケ部を辞めさせられた時、
そんなような事を言った気もしなくはない。
「言ってたんだって!
まあ、とりあえずメールだけでもいいから連絡とってみねえ?」
普段はしつこく物事に執着しないタイプのこいつが
珍しく食い下がる。
はあーっと小さくため息をついて俺は言葉を紡ぐ。
「いいけど。
何でいきなり俺なわけ?」
俺のつるんでいるグループは俺達二人を入れて六人。
その中で今彼女がいないのは見事にみんななわけで…
彼女が猛烈に欲しい!
なんて嘆いていてる奴もいる中で何故俺に白羽の矢がたったのかが知りたかった。
「いや…さ、俺がこのコと元々知り合いで、
誰か女のコ紹介してよって言ったら
向こうも逆に紹介してよって言うから、
タイプは?って聞けば、
面白くて優しい奴ってゆうからお前かな?って。」
なるほど…。
俺は自分の出会いの為に差し出されたってわけね。
どうりで必死なわけだ。
まあ、シャイなこいつが積極的になったのは大きな進歩って事で目を瞑ってやるか。
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