止まった『時』

4/9
前へ
/36ページ
次へ
『おやまぁ…そんな事があったのかい……それは災難だったねぇ……』 おばさんはゆっくりした口調で話す。私は一回死にかけたのに…。 『そんな人事みたいに…、私は確かにトラックに引かれたんだよ!』 私は焦った口調で言いった。だって何度も言うけど私死にかけたんだよ!でも生きていた…。これだけ矛盾している事も日常で滅多にない。 『それはねぇ……時間が戻ったんじゃなくてねぇ…、いつきちゃんが戻ったんじゃないかねぇ……』 おばさんはお茶を飲みながらゆったりした口調で喋る。 『私…が?』 私は不思議そうにおばさんの顔を見た。 『時間はず~っと変わらないんだよ…。時間にもペースがあるからねぇ…だとしたら戻ったのはいつきちゃん、あなたかも知れないねぇ…。』 おばさんはお茶をちゃぶ台に置き、私の顔を見ながら行った。少し信じられないや。私にそんな力なんてないのに…。 『やだなぁ、私にそんな力あるわけないじゃん。それに、それなったの今日だよ。そんな訳……………』 私は何故かふと鈴の事に気がついた。そういえば私がトラックに引かれる時鈴の音が……。私は鈴をポケットから出した。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加