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『おやおや…綺麗な鈴だねぇ…。』
おばさんが鈴を眺め言う。
『確か…私がトラックに引かれた時、鈴の音が聞こえたのッ!…もしかしてこれかなぁ………』
私は顔の前まで鈴を上げた。こんな変哲もない鈴がそんな力持ってるわけないよね…まさかね…。
『どれどれ…おばさんにくれないかねぇ……』
おばさんは少しいじわるな顔で私に言った。もちろん私の答えは…。
『だーめッ!』
『冗談だよ…、そういえばいつきちゃん、もうそろそろ帰らないと行けないんじゃないかい…?』
おばさんは相変わらずのゆったり口調で私に言った。私はサッと時計を見て…。
『げッ!もうこんな時間!ありがとうおばさん、それじゃ。』
私は急いでおばさんの家を出た。この後家に帰って買物しないといけなかったのをすっかり忘れていた。
『急げ~。……。』
私は丘の前で止まった。
『私が時間を……そんなわけ……』
私はそう呟きながら鈴を目の前に持って来ていた。
『私が戻りたい過去……』
私は目を閉じ、考えた。もし変えれるとしたら私が変えたい過去…。
『…………………………………………リン…』
私は鈴を鳴らした。…信じてはなかった。…でも、もしもッ!……もしも本当にそんな事が出来るなら……。
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