夏曜日

2/6
10人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
………………ピピピピピピピピピッ!  目覚まし時計が部屋中に響き渡る。 『…んん…あとぉ五分……???』  私は朝は大嫌いだ。布団から出る時が一番苦痛に感じる。 『お姉ちゃん、時間やばいよ?』  妹の雪江が私に言う。でも体が動かない。何度も言うが…私は朝が大嫌いだ…。 『……今ぁ何時ぃ…???』  私は半分寝ながら雪江に聞く。時間次第ではもう一眠りしちゃおうと考えていた。 『…八時十五分…十分オーバーだよ。お姉ちゃん』  雪江は身支度を済ませ部屋を出る手前。慌てず冷静に私に言った。少しは体を揺するとかしてくれても良いのに…。 『………えぇっ!』  私は布団からガバッと起き時計を掴み見た。そう珍しくはない。いつもの事だったりする。 『いつきぃーもうそろそろ起きなさーい!』  一階からお母さんが声を張り上げ言う。私はこの声で完全に目が覚める。…もう一度言うけど、私は本当に朝が嫌いだ。 『何でもっと早く起こしてくれないのよぉ!』  ドタドタと騒々しく階段を降り、家族のいる居間へと、制服を着ながら向かう。 『いつきなぁ…こういうのは自分で起きなきゃこの先苦労するんだぞ』  お父さんが新聞を広げながら私を諭す。そんな事わかってるのに…。 『はいはい、今度から今度から。お母さん!お弁当は!?』  お父さんの話しを軽くスルーし、お母さんに聞く。今はお父さんの話しより私のお弁当を優先するべきだとすぐ思った。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!