夏曜日

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……ガン! 私は息を荒くしながら教室まで全力疾走して教室にはいった。 『セ…セーフ……』 私はハーハー言いながら席に着いた。 『いつき、玄関から教室まで約32秒だぜ、腕上げたな。』 嫌みそうに私を見て言うのは真也。夕也と同じ時期に友達になったんだけど…私や夕也と比べものにならないくらい頭良いんだ。そのうえ勉強熱心だし。私の席は窓側で、夕也と真也の席がちょうど私の席の隣だったりする。 『毎度毎度その遠回りな嫌み止めてくれるー!』 私は席に座り、真也に言った。 『しゃーねーだろ、本当の事なんだし。』 夕也が言う。何で男子ってこう意地悪なんだろ…。 『ふんだ、どうせ私は何も考えてませんよーだ!』 私はそっぽを向き、言った。 『おっ、自分で認めやがった。』 『おいおい、そのくらいにしとけって。』 真也が止めに入る。こういう時、真也はとても頼もしく思える。 『ちぇ…。』 夕也は諦めたのか、窓の方を見る。 『ほら、いつきもすねてないで、先生がくるぞ。』 私の朝はこんなもの。普通のやり取り。ただおかしいのは私の親友が男友達。それも二人だと言う事かな。でも私はなんだかんだ言って結構楽しかったりする。……しばらく授業を受け、放課後になった。 『いつきー、あんた日直でしょ。このプリント理化室に運んで。』 同級生の麻紀が私に言う。ちなみに麻紀も結構男勝りな方。喧嘩っぱやいし。 『はーい!』 私は返事をして、プリントを持ち、理化室へと向かった。
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