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「大変なんだね」
「他人事みたいに言うなよ」
「紺矢、おいで」
紺矢が疲れた顔をする二人を笑いながら見ていると晴紀が手招きして紺矢を呼んだ。
「何?晴紀さん」
「君も朝食まだだよね?タマゴサンド一つ食べる?」
「食べます」
呼ばれた事にも嬉しく、まるでしっぽを振ってるのが見えそうな程、差し出されたタマゴサンドを一口食べた。
「晴紀さん美味しいです。俺は一生晴紀さんの犬でいたいです」
「馬鹿言うな。はぁ、こんなことになるなら紺矢におにぎり あげなきゃ良かった」
紺矢に手を握られ晴紀は溜息をついた。
紺矢との出会いは晴紀が出勤途中でコンビニ横の公園を見ると、お腹を鳴らし踞っている紺矢を見付けた、溜息とお腹の音に煩いなと思い朝食に買ったおにぎりを紺矢に渡した。
「えっ?」
「一個やる」
「…ありがとうございます」
晴紀が再び歩きだし店に着くと充が掃除をしていたので挨拶しようと思った瞬間、背中に飛び付く大きな何かに押され前に倒れた。
充は驚くと駆け寄り後ろの何かを引きはがし、晴紀が振り返り見るとニコニコと笑う紺矢だった。
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