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『ハァ…ハァ…』
『お~い…エミリア~。気がすんだかぁ?』
レオルドはずっと、エミリアの怒声を聞いていた。
『まだまだ…って、あぁぁぁぁぁ!』
『今度は何だよ;;』
『ロディア様を待たせたままだったわ!あぁ、私ったら不覚だわ!さぁ、レオルド行きましょう!』
『へいへい…』
『早く行くわよ!』
『って、そっちじゃねぇよ…俺の部屋だからこっち』
『あぁ、そうか…って、レオルドの部屋?!』
『そうだけど?』
レオルドの部屋って……
『私の部屋の隣りじゃない!』
あれだけ探し歩いたのに、水の泡だわ!
はぁ…意識を集中させて、初めから、気配を嗅ぎ取ればよかったわ。
そしたら無駄に探し歩かなくても、一瞬でレオルドの部屋だって分かったのに…
私の馬鹿!
『何ボケッとしてんだよ…行くぞ』
『はぁい…』
私は泣きたい気持ちになりながら、レオルドの部屋へ向かった。
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