3人が本棚に入れています
本棚に追加
順番を決めてるのかな。
そう思ってあたしも急いでその輪の中に入った。
「なぁ、誰が1番に走る?」
やっぱり順番を決めてるのか。
「俺、真ん中がいいなー」
「俺も!最初はやだなー。なんかプレッシャーだ。それに準備運動もしたいし」
みんなそれぞれ意見を言い合っている。
確かに最初はやだよなー。準備運動する時間ないから、走りにくいかも。
いろいろ考えていると、一人の男と目が合った。
すると、男はニヤッと笑って喋りだした。
「なぁ、みんな。この女に1番走ってもらわないか?どうせ女だし、いつ走ったって合格できないだろ。それなら、1番に走ってもらってその間に俺達は準備運動しとこーぜ」
男はあたしを指差しながら喋った。
「はぁ?そんなんやだよ」
あたしは男を睨んだ。
でもそんなあたしの意見など無視するようにみんなが喋りだした。
「いいな!それ。なぁ、きみ。いいだろ?きみ、可愛いしテニス部とかの方が似合うんじゃない?」
「いやだ!あたしは陸上部に入りたいの」
「どうせ、何番目に走ったってムリだよ。そんなほせー足してるんだから」
「あたし、走るの速いよ。だから…1番に走ったげる。別に何番目に走ったって絶対合格だし!」
あたしはむきになってそう言い返した。
最初のコメントを投稿しよう!