出会い

9/13
前へ
/17ページ
次へ
順番を決めてるのかな。 そう思ってあたしも急いでその輪の中に入った。 「なぁ、誰が1番に走る?」 やっぱり順番を決めてるのか。 「俺、真ん中がいいなー」 「俺も!最初はやだなー。なんかプレッシャーだ。それに準備運動もしたいし」 みんなそれぞれ意見を言い合っている。 確かに最初はやだよなー。準備運動する時間ないから、走りにくいかも。 いろいろ考えていると、一人の男と目が合った。 すると、男はニヤッと笑って喋りだした。 「なぁ、みんな。この女に1番走ってもらわないか?どうせ女だし、いつ走ったって合格できないだろ。それなら、1番に走ってもらってその間に俺達は準備運動しとこーぜ」 男はあたしを指差しながら喋った。 「はぁ?そんなんやだよ」 あたしは男を睨んだ。 でもそんなあたしの意見など無視するようにみんなが喋りだした。 「いいな!それ。なぁ、きみ。いいだろ?きみ、可愛いしテニス部とかの方が似合うんじゃない?」 「いやだ!あたしは陸上部に入りたいの」 「どうせ、何番目に走ったってムリだよ。そんなほせー足してるんだから」 「あたし、走るの速いよ。だから…1番に走ったげる。別に何番目に走ったって絶対合格だし!」 あたしはむきになってそう言い返した。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加