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健太先輩との出会いは、二週間前。
春休み、暇だったあたしが川辺で寝転んでたら自主練してる健太先輩と出会った。
「なにしてるの?」
最初に話しかけてくれたのは健太先輩だった。
「えーと…ゴロゴロ…してました」
「ここ、気持ちーもんな」
そう言って健太先輩も隣に寝転んでいろんな話しをした。
その時、ちょうどあたしが行く高校の陸上部だということを知り、あたしも陸上部に入る事を約束した。
―一目惚れだった。
先輩の笑顔にやられてしまった。
「杏奈?聞いてる?」
「はっはい」
やばい、やばい。
思い出に浸りすぎて健太先輩と話してたの忘れてた。
「あのさ、うちの陸上部、テストあるんだ」
「あっ聞きました。さっき。性格悪い自己中男に」
「性格悪い自己中男…?あぁ矢嶋の事かな」
「あいつ、矢嶋って言うんですか。すっごいムカつきますよね」
あたしはさっきの事を思い出してまたイライラしてきた。
「ははっ。矢嶋ね、あーみえて優しいとこあるんだよ?」
「えー本当ですか?」
「うん。ちょっと分かりづらいだけ」
「そうなんですか…」
あんな奴も庇うなんて先輩はやっぱり優しいな。
あたし、絶対合格してやる!
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