両親の心

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両親の心

兄と(正しくはりつ子さんと)姉の小競り合いが続く中、と言ってもりつ子さんが一方的に 敵意丸出しにしているだけですが。 そんな中 家の両親はとにかく兄弟仲良くして欲しいと言ってばかり。端から見ても気の毒な程 りつ子さんに気を使い 歳を重ねて行きました。 母は 長男の育て方を間違えたかと悩み、元来酒飲みの父は ストレスを為 益々 酒量が増えました。 そしてアルコール依存症に。 でも もう歳も歳ですし 私達家族は 好きなように暮らし 往生するなら それも有りかな?と思っていました。 実際 父の面倒は母が看ており 母が同窓会旅行等の時は 娘の姉か私でないと 父が嫌がりました。 それが気に入らないのか(何もしなくていいのだから、楽でいい筈なのに)姉や私が実家に泊まるのが嫌なのか、とても不機嫌。 全く二階には来ません。まあ 母曰く 普段から来ないとの事ですが。 やはり母が同窓会旅行で不在の時 母からの電話で後一、二時間で家に帰るからもうそれぞれの家に帰って大丈夫だよ。と連絡が有りました。姉は自分の姑への気遣い 私は関西方面へ帰り 明日も仕事 と言う状態だった為 言葉に甘え帰ろうと言う事にしました。 さて 母が戻るまでの一、二時間 りつ子さんにお願いしようと思いましたが 当のりつ子さんがいない。 ふと 表を見ると 子供の頃からお世話になっている 隣の病院の婦長さんがいるではないか。ナイスと思い 婦長さんに父のお願いをしたところ 「お母さんからも いつも 頼まれるよ」とにこやかに快諾。 姉と二人安心して帰りました。 甘かった。 りつ子さんが黙っている訳 なかった。 その夜 またまた 姉のところに りつ子さんの 怒鳴りまくる電話。 あんた いなかったじゃん どうすりゃいいのさあ。 りつ子さん曰く 婦長の事が嫌いな様で、その婦長さんに頼んだ事で 自分の立場がなくなった。と言うような内容を 延々まくし立てていたとの事でした。 敵を作る天才だねと 姉と笑いました。 それ以外やり過ごす方法が見つかりませんでした。 そんな態度を取るからりつ子さん自身 やらなければならない事が増えます。 父の介護です。 でも父にしてみれば、自分の世話は身内以外嫌。 嫁に気を使って、介護されるのが嫌だったんでしょう。 気持解りますよね。
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