父との別れ そして和解

1/2
前へ
/45ページ
次へ

父との別れ そして和解

父は入院してから1ヶ月程で他界しました。 この入院中にも私達には理解不能なりつ子さんの言動がありました。 それはもう父の意識がほぼなくなっている時期でした。 母 姉 私の女家族三人で父の病室にいる時でした。母が 半ば無理を承知で 父に話しかけたのです。 「お父さん、分かる?娘二人が来てるよ 私達が分かる?」 朦朧としていた父が目を開き一人一人「優子」「文子」「啓子」とはっきり私達の名前を呼んだのです。もう三人で笑いながら大泣きでした。 その晩 実家で久しぶりに父を除いた家族が揃いました。 兄に今日の病院での出来事、父が私達の名前を呼んだ事を話していました。 その時 やっぱりりつ子さんが話しを割って入って来ました(笑) 「お父さん、私の名前はいつでも 言うよ」 はぁ? どしたの この人? 何を突然に? 兄弟みんな 目がテンです。 何もこんな時に対抗意識? やめてよって感じでした。 もう誰も話しをしなくなりました。
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

215人が本棚に入れています
本棚に追加