異分子家族

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異分子家族

兄の結婚式が済み、新婚夫婦は 埼玉にある父の会社(父の兄が社長。父は専務と言う名目のサラリーマンです)の社宅に住む事になりました。 新婚時代は二人きりでとの事でしょう。 兄は毎朝、父の会社への出勤前に実家に顔を出していました。が、お嫁さんは連絡も無し。 どうしてるのだろう? 分からないまま時は過ぎ、りつ子さんの妊娠を機に実家に入る事になりました。 孫が産まれ両親はネコ可愛がり。実際、私も今でもこの子だけは目に入れても痛くない甥っ子です。でも、ここから我が家の食生活が変わります。 元々下町の我が家の食事は基本 大皿料理。主菜は大皿に盛り各自好きなだけ突っつく。 そんな家のスタイルについて来れないのか、一人一皿のご飯に代わってしまいました。一言で言えば、一汁一菜です。 父は毎晩晩酌が楽しみの人ですが つまみがなく可哀想でした。 (しかも 味が‥いや言うまい(笑)) 更に驚きなのが 一人前幾らで お金を請求して来ました(?д?) 思考回路が分からない。 全く別の家族だと言う主張だったのでしょうか? 金取るなら 父親の酒の肴作れよ!って 柔か~く私は言ってしまいました。 私が二十歳の時でした。 その直後、事件勃発。子供のママ友に、りつ子さんが言ったそうです。 「家に二十歳にもなってまだ嫁に行けない妹がいるんだけど、何処にいい人いないかしら」 はぁ? 二十歳にもなって?いつの時代の人だよ? 当時 私にも勿論彼氏いましたよ。家族全員知ってましたよ。でも年齢が年齢ですから、当然学生ですよ。 私に失礼なのは勿論ですが、彼氏にもっと失礼でしょう。 下町ってのはそう言う口外して欲しくない事もすぐに伝わってしまうんですよねぇ。 田舎育ちのりつ子さんには理解出来てなかったようです。 私は吼えました。たっぷり噛みつきました。その後 兄からも相当しぼられたそうで、謝って来ました。 謝ってくれれば、それで終わり。後には引きずらない。と言うのも下町気質です。 まあ元来O型で もう面倒くさい、まあいいかぁ。って感じです。 その後 木造二階建ての我が家を三階建てのビルに建替え。 両親と私が二階、兄夫婦が三階に入り生活は全く別々になりました。その時の父の心のこもった一言。 「良かったぁー。飯が元に戻るぅ」 はぁ 辛かったんだねぇ(T^T)自分でつまみ買って帰って来たよねぇ。そのつまみの方が美味しくてりつ子さん不愉快そうだった(笑)
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