『蒼氓』―ホームレス編―

13/43
前へ
/43ページ
次へ
    ―『AM8:39』― (ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ァ) 男は…夜どうし…走り続けた…結果…朝を…迎えていた…。 こんなにも……走ったのは……産まれ…初めて…だった…。 男は、不安感で…涙が…溢れそう…だった…。 (<白髭>達は…ともかく…問題は…警察だ…本当に…嫌…まさか…) 男は…無実の罪で……刑務所……なんて…。 (畜生!冗談…じゃねぇぞ…) 男は、基本的に…人間を…社会を…信じて…無かった…。 気が付くと…ダムの…建物……らしき…所に…いた…。 (とりあえず、此処で休もう…) 疲れから…意識を…失い…眠りに…ついた…。     ―『PM6:37』― 辺りは、暗闇だった…男は…時間を知る…術も無く…挙げ句の果ては…300円しか…無い………。 男は、絶望した…。 「これじゃ…食べ物も…何も……できない…」 男は、人生に悲観した…。 「こんな事なら、仕事を…怠けず…真面目にすれば…よかった…」 男は、初めて…仕事に有り難みを…感じた…。 今となっては…遅すぎる…後悔だった…。 「とりあえず、朝まで待とう…」 体力を…温存する為に…再び……眠りについた…。     ―『AM6:44』― 男は…初めて…朝の…太陽…光…が…心から…嬉しかった…。 「今の内に…食べ物だけでも…」 男は…緩やかな川に…眼をつけた…。 「川で、魚が、採れたら、なんとかなる…」 空腹に耐え…命を…保つ為に…川に…入った…。 しかし…現実は…甘くなかった…自然の抵抗が…ハンパなく…男を苦しめる…。 男が…諦めかけた…時…。 「お~い、何してんだ」 男が…声がする…方向に顔を…向けると…。 釣り人が、いた…。 男は……安心するかの様に……力尽きた…。 眼を覚ましと…車の中に…いた…。 「おう!眼が覚めたか?」 男は…喋る気力…すら…なかった…。 <釣り人>は…何も言わず…水筒のお茶と…おにぎりと…釣った……焼き魚を…差し出した…。 <釣り人>が、言う 「黙って…食え…」 男は…初めて…人の温もりに…触れ…感銘の涙が…出た…泣きながら…好意を素直に…受け入れた…。
/43ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加