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「……なぁ?」
「ん~?」
「睦と美樹は……、付き合ってるのか?」
「ん~。……はぁあっ!?」
俺の言葉に驚いたらしい潤が、耳鳴りがするくらいの大声で聞き返す。
あまりの大声にこっちがびっくりして顔をあげる。
そこには視界いっぱいの潤の顔。
ちょっ、近っ!
「なんでそんなこと訊くの? 有り得ないじゃん! もしかして、悠にぃっ てバカ!?」
「ば、バカって……」
「二人とも廊下で騒がない! ……っ てなにしてんの?」
俺達の声が煩かったのか、緋色が楽屋から顔をだした。
もっとも煩かったのは潤だけなんだけど。
緋色は至近距離で見つめあう俺たちに、大きな目をさらに丸くした。
それを見た潤が俺の手を引いて緋色に駆け寄る。
まだ座り込んだままだった俺は半ば引きずられるような形になったが、潤も緋色も気にも止めていないようだ。
「ちょっと聞いてよ! 悠にぃってば、睦と美樹は付き合ってるのか? なんて訊くんだ!」
「……は?」
潤の訴えを聞いた親友は、ぽかんとしか表現できない顔で俺を見つめた。
「……悠ってやっぱバカ?」
……お前も言うわけね。
しかも、潤は『もしかして』だったのに、お前は『やっぱ』なんだな……。
反論する気力もないまま脱力感に溺れていると、鍛えられた腕にグイっと引寄せられる。
「とりあえず、なんでそんなバカな答えに辿り着いたか話して。ね?」
ものすごい笑顔で凄まれて、緋色の鍛え上げられた腕力によって楽屋に連れ込まれた。
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