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「あーっ、睦が悠にぃの唐揚げとったぁぁ!」 「いいって。ってか潤? 子供じゃないんだからこぼさずに食えよ」 「ズルい! 睦にばっか甘いんだから」 箸を振り回す潤に注意すると、拗ねてイジケルから思わず苦笑。 お前ね、それじゃ本当に子供だって。 歌ってるときのカリスマどこに落としてきたんだよ? 「わかった、わかったよ。ほら、コレやるから機嫌直せ?」 「やったぁ! 悠にぃありがとぉ」 仕方なく弁当に残っていた二つの唐揚げのうちの一つを箸で持ち上げると、潤は嬉しそうに席をたった。 単純で助かる……。 犬よろしく駆け寄って来た潤の口に箸を向けようとした瞬間、グイッと違う方向へと引っ張られた。 ぱくん、と唐揚げが消えたのは、いつも無意識に追いかけてしまうその唇。 -
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