第1章

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「はい、じゃあ次の人。」 私の声に反応し、1人の男子生徒がイスに座る。 「高校1年生ね。恋愛って書いてあるけど…片思いかな?」 その男子生徒は片思い、と言われて照れるように俯く。 少し輝いている瞳は、恋してる証拠。 「高校に入学してから毎朝、バス停で会う他校の女の子がいて…。」 「うん。」 「で、その子に一目惚れしちゃったんですけど……、どうすればいいのかわからなくて。」 下を向きながらぽつぽつと話す。 「へぇー…。バス停での出会いかぁ……憧れるな。 いや、私チャリ通だからさ―、」 「あの…。」 いかんいかん。 つい喋りたがりの性が…。 「えっと、ごめんね。 どうすればいいか、だよね?」 「はい。」 私はその男子生徒の眼をもう一度見直す。
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