第1章

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「…恋愛ってね、最初が肝心なんだ。 最初に好印象をもってくれれば、あとは何回も会ってると案外自然に相手を好きになることが多いんだよ。」 「そうなんですか?」 「うん、“あばたもえくぼ”ってことわざがあるみたいに、好きな人なら欠点でも良い所に見えたりとか…。 例えばさ、自分があんまり好きじゃない人が実はむっつりスケベだったらどう思う?」 「ちょっと無理って思っちゃうかも…」 「でも、それが好きな人だったら?」 「ちょっとかわいいかも。」 その男子生徒の素直な反応に思わず微笑む。 「だよね。 だから最初が肝心なんだ。最初に好印象をもってくれるかどうかが鍵。 その女の子とはちょっとでも喋ったことはある?」 「まだないです。」 「じゃあ…、 次会ったとき、タイミングを見計らって定期とかなんでもいいから落としてみて、ベタだけど。 そんで彼女が拾ってくれたら、自然に笑顔でありがとうっていうの。 最初はそれでおしまい。」
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