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「婚約者の方はどのような殿方なんですの?」
どのようなと言われても私はリストしか見ていないことを伝え半年で将来の伴侶を決めなくちゃならないことを教える。
すると庭園のドアが開き、小さな男の子が顔を出した。
「新(アラタ)!」
菜々子が男の子を呼ぶと男の子は走り出し菜々子に抱きついた。
「この子が新君!?可愛いね。」
新君は3年前のある新月の夜に菜々子が見つけた子だ。
道路にうずくまっていた新君は傷だらけだったそうで急いで手当てをさせたらしい。
その後は菜々子の家で育てられていた。
『新が10歳になったら私の執事になってもらいたいの。』
新君の話になると菜々子は決まってそう言っていた。
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